
スイングアーム延長加工
Doyaさんからのご依頼で、CRM80下位おやじスペシャルのスイングアーム延長加工をやる事になりました。
DoyaさんのCRMはSTEP1のおやじさん特製シリンダーで100ccにボアアップ前後足回りにCR80のサスペンションを移植してラージホイール化してあります。
今回の改造依頼は、CRM80のスイングアームをCR80と同じ寸法に加工するというものです。
CRMのスイングアームはピボットシャフトがエンジンを貫通しないA型で、ピボットシャフトがエンジンを貫通するH型のCR用スイングアームではシャフトが剥き出しになります。
これではシャフトの錆&傷付が心配ですからね。
Doyaさんから預かったCRM80のスイングアームです。
状態は良い・・・とはいえません(笑)
鉄製だから仕方が有りませんが所々に錆が浮いています。
加工開始
サイドスタンドやチェーンガイド等のパーツを外し、こびり付いた泥汚れや錆を落としていきます。
ステンレス製のワイヤーブラシを使ってシコシコやります。
鉄だから神経使わなくて助かります、アルミだと直ぐ傷が入って大変。(-_-;
部品位置の採寸
綺麗になった所でチェーンガイドステーの位置を、測って書き留めておきます。
後端部から149mm、内側から3mmオフセットされていました。
メモを取ったらサンダーで溶接部分を削ってステ-を外します。
一緒にチェーンカバーの取り付け用ステ-3箇所も削り落としてしまいます。
(別に構わないよね?Doyaさん)
いらない物を削り落として、加工する所のシルバー塗装を剥がします。
なかなかスッキリしました。
塗装を剥がすのは延長加工で溶接する時に焦げて汚くなるし瞬間的に酸化して上手く溶接が出来ない事があるからです。
塗装落としの強力な道具
塗装や錆落しに威力を発揮する、サンダー用のワイヤーブラシ(カップ型)です。
使用中は千切れたワイヤーが飛んで来る事が有るので必ず防護メガネを使用。
CR80とCRM80のスイングアームのピボット・リヤホイールシャフト間の寸法差は55mm。
CRMの角パイプ寸法は30mm×45mmなので板厚2mmのSPCC(鉄板)を使って、延長用のパイプを製作します。
内側を半自動溶接機で盛りながら、外側はTIG溶接で綺麗になるようにします。
端から100mmの所で切ります。
理由は・・・特にありません(笑)
延長部の溶接
まずリヤホイールシャフトを通す長穴の空いた方から先に溶接します。
定盤にシャコ万で固定して歪を抑えながらTIG溶接でガッチリ付けます。
荒仕上げ用のディスクを付けたサンダーで削り過ぎないように、溶接した所を削っていきます。
角は本体に溶接した後に削るため残しておきます。
溶接歪を抑える為に、アルミのアングルとシャコ万で、ガッチリ固定して溶接していきます。
でも一気にやらず、仮止めをたくさんやっていきます。
一気に溶接すると、どんなに抑えていても、歪が必ず出てしまいます。
仮止めの時点で曲がりやズレがないかを確認してから本溶接します。
溶接後の歪取り
溶接が終わったらサンダーで軽く仕上げて再度歪を見ます。
抑えながら溶接しても1mm程、捩れが出ていたのでハンマリングで歪を取ります。
面倒でも、ここでちゃんと狂いを治しておかないと、後で泣きを見ます。
歪が取れたら最終仕上げをやります。
う~んピカピカ!(自己満足)
外しておいたチェーンガイドステーの修正をやります。
サンダーで削り取ったので溶接部が寸足らずになってしまっています(汗)
削れてしまった所を、溶接で多めに盛って再生します。(テンコ盛り)
サンダーで慎重に削りながら形を整え、再生完了!(パチパチ)
再生したステーを、書き留めておいた位置に溶接します。
ここでも溶接時に動いて位置が狂わないように抑えます。
無事元の位置に付きました、これでスイングアーム本体の延長加工は完了です。
後は錆びる前に塗装するだけ。(ほっ)
次にリヤブレーキの・・・?(なんていう部品だっけ・・・(^_^;)を本体を伸ばした分だけ延長します。
途中で切断して間にパイプを入れます。
TIG溶接してサンダーで仕上げ、パイプなどのRが有る物の仕上げは難しい・・・、ちょっと削りすぎてしまいました。(Doyaさん、ごめん)
完成です。塗装は時間がないのでDoyaさんにやってもらいます。(笑)
久しぶりの大仕事でしたが、やっぱりバイクのパーツ作りは楽しい!
申し訳ありませんが、CRM50/80のロングスイングアーム加工依頼は受け付けません。
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