
2Trac45F ちょっとだけインプレ
2Tracっていわゆるオートマみたいなものです<普通のバイクはマニュアルみたいな・・・
前輪が駆動するとは言っても油圧の場合はダイレクトに効くというよりサポート的に回っている感じで、乗っている時には殆ど分かりません。
試しに前輪の駆動を切ってしまうとフロントが異常に軽くなり接地感や安定感が驚くほど希薄になります。<ドライバーで簡単に駆動切り替え可能
前輪駆動を戻すとハンドリングが重くなり(ステアリングダンパーを効かせた様な感覚)接地感と安定感が格段に向上し、エンジンパワーが落ちたような感覚になります。
実際にパワーを食われているのもあるのでしょうが、2輪駆動になる事でトラクションが増し挙動が安定する事での錯覚なのかもしれません。
一見良さそうな特性ですが、それが速さに繋がるかというと・・・どうでしょうね。(^^;
後輪駆動だけの時の接地感や安定感の希薄さも、言い方を変えれば軽快感やダイレクトなコントロールに優れているともいえるわけで、最初に普通のバイクはマニュアルと言ったのはそういう意味です。
2Tracは確かに接地感や安定感が劇的に向上しますが、その感覚はオートマ的で、ある程度の技量の持ち主ならばそんなものはテクニックでカバーできる程度の代物なのかもしれません。
未だ結論を出すまでには至ってませんが、あまりスピードやテクニックを競う競技には向かない様に思えます。
ビーチエンデューロの様な特殊な環境なら、速さは兎も角、楽は出来そうですけど。。。
*千葉のビーチでレースやりました、最高でした(笑)
意外とメンドイ流体力学っぽい話?
2005年のパリダカクラス優勝の後、メーカーのHPからも情報が削除され、その後の動向が不明となっていた2Tracシステムですが、面白い動画を見つけました。
R1というらしいロードモデルに2Tracユニットの新型らしき物が付いています。
噂では聞いていましたが、ロードモデルでの開発は進んでいるのですね。
動画を見る限りオイルポンプやモーター自体は某ドイツ製のままであまり変わっていないようですが、1:00前後に映っている油圧モーターから、WR450F 2Tracには付いていないチューブらしき物が伸びています。
これはいったい何なのだろうか?・・・っとずっと考えていました。
向きは違いますがWRFのユニットではこの位置にはオイル流入量を調整するバルブが有ります。
一応任意に調整する事が出来ますが、勝手に廻せないようにカシメてあります。<バルブ
見た所微妙に形が違うだけで内部構造は変わらない・・・という事はこのチューブはオイル流入量をコントロールする為の物だと考えるのが妥当ではないかと。
では何故そんなコントロールが必要になるのか・・・実は思い当たる事が有ります。
これこそ未だに2Trac45Fの前輪駆動部が満足のいくセッティングが出せない最大の問題。
ずっとオイル選択で悩んでいましたが、どうも根本的に分かっていなかったようです。
流体力学の事等よく分かりませんが、簡単にいうと常用回転数で一番動きが良くなるようにセッティングしなければならないようで、今まで手で廻して連動する位の低回転・低圧で合わせてしまっていた為、高回転・高圧の時に圧力が抵抗になってモーターの動きが悪くなってしまっていたようです。
さて問題はここから・・・重機の油圧シリンダーや油圧制御の機械と違って、バイクの場合は常にエンジンの回転数が変化します。
特にオフロード車はその変化が激しい。
いったいどの回転数を基準にしたらいいのか困ってしまいます。
低回転域で合わせれば回転が上がった時に前輪駆動が機能しなくなる、高回転域に合わせれば今度は回転が落ちた時に機能しなくなる。
そこでR1-2Tracのオイル流入量(圧力?)コントロールなのではないかと・・・
回転数に応じて流量コントロールをする事で、低速域~高速域まで前輪駆動を効率良く使えるようにしているのではないかと思います。
もし当たっているとしてどうやって制御しているのか興味有りますね、
出来る事なら2Trac45Fにも搭載したい機能です。
AWDについての考察記事
AWD=オールホイールドライブ、つまり全輪駆動の事で、私が今取り組んでいる怪しいバイクに関係する内容です。
またまたトラブッてしまい現在強化の為の部品待ちなのですが、トラブル度に新しい発見が有るのでそんなに悲観はしていません。
静止した状態の車体重心は、ほぼエンジンの位置にあります。 このとき前輪にも駆動力が配分されていると、車体重心を前下方に引っ張る力が生まれます。 次に方向安定性が向上します。
最初に上げられのは、発進時のフロントリフト(ウイリー)の減少です。
一般的なチェーン駆動の場合荷重のかけ方にもよりますが、発進時には車体の重心をナナメ後方から押し上げるような形になります。
それに対し地面とタイヤの接地面は駆動力によって前方に移動をはじめ、力のベクトルは重心の下に潜り込み突き上げる方向になるのです。
前に進もうとする後輪を支えるショックアブソーバが収縮することで、その傾向はより顕著になり、この合力によって前輪のリフトが始まります。
双方のベクトルが合わさることで、タイヤを強く地面に押しつけながら、前方にはじき出されてゆきます。
なぜなら、タイヤを地面に押しつける力は摩擦力を一層高め、エンジンパワーをくまなく地面に伝える手助けをしてくれるからです。
ライダーが思い描くコーナリングライン通りに走るのが“ニュートラル”、大回りが“アンダー”、小回りが”オーバー”ステアです。
後輪にのみ駆動力を配分する現在の構造では、コーナリング中にアクセルをあけずにまわるとアンダーに、あけすぎると後輪がパワースライドを起こしオーバーになり、微妙なコントロールがライダーには要求されがちです。
前後輪に駆動力が配分されることで、タイヤの負担は大いに軽減されます。つまりはパワースライドの減少。
おまけにタイヤを地面に押しつけるトランクションも向上するので、大きくアクセルを開いてもグリップを失いません。
駆動力を与えられた前輪は本来の操舵輪としての役目を果たし、ニュートラルな旋回軌道を描きながら車体を引っ張り、効率よくエンジンパワーを推進力に変換することができるのです。
とまあこんな感じで良い事ずくめの内容ですが、現実には中々厄介な代物です。
やはり問題は前後の駆動配分や同調タイミング、更に旋回時のコントロール性等等、理想と現実のギャップをどう捕らえ消化しフィードバックする事が出来るか・・・頭痒いですわ。(–;
あれから8年
2018年現在、レース引退しても、このバイクは残ってます。
結局やらなかった事
エアクリボックスをガソリンタンクの所に持ってこようとしました。
高い位置にある重量物(ガソリンタンク)をシート下に移して、代わりにエアクリボックスをこっちに持って来たかったのですね。
フレームに逃げを作り、空気抵抗の出来るだけ少ない形状でアルミ製のコネクティングチューブを製作。
エアクリボックスはノーマルタンクの中をくり抜いたカバーで代用・・・
ここまでは作っていたのですが、サブフレームを兼ねたシート下タンクを作る事なく計画は頓挫。
キャブより低い位置となってしまう燃料コックの解決案が問題だった記憶が有ります。
燃料ポンプを使う手も有ったのですが、多分面倒くさくなってしまったのかと(笑)
完成していれば、また乗り味も変わったのでしょうが、既に作ったパーツも破棄してしまっているので、もはや知るすべも有りません。
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
Copyright © Backyard Builder All rights reserved.
この記事へのコメントはありません。